2021/08/18
コンサルコラム
グローバル標準に準拠していること:
3点目は、業務プロセスやITをグローバル標準にできるだけフィットさせることです。DX時代においては、原則的に市販されているソフトウェアをサブスク的に契約して使い、自社の固有戦略に関係する部分だけを開発する、そしてそれらを疎結合して、有機的に進化させる考え方です。
これは下図のウォードリー・マップという枠組みに表現されています。プロダクトは製品でありコモディティ、カスタマイズはその修正、開発は企業固有のシステムです。そして、ウォードリーは、過去に開発やカスタマイズだったものが、時代と共にプロダクトにシフトしていくことも主張しています。(参考文献:西山圭太,「DXの思考法」,文藝春秋,2021,P136)
確かに私自身も、SaaS型の会計ソフトを使っていますし、会社員時代もSaaS型の出張精算システムを使っていました。しかし、PLM/BOMはまだプロダクトの域ではなく、カスタマイズまたは開発の段階です。理由としては、各社固有のQMS(品質マネジメントシステム)に準拠する必要があり、製品開発プロセスや品質保証の考え方そのものがコアコンピタンスになっている企業が多いからだと思います。
ただし、コンピタンス以外のプロセスで、従来プロセスの踏襲をする考え方をもっていると、開発から抜け出すことはできません。Fit To Standardとも言いますが、業務プロセスを極力グローバル標準に合わせ、PLMソフトウェアの標準機能を有効活用することがDX時代の導入方法であると言えます。この方法論についても、また別の機会に紹介したいと思います。
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